■ユウカ 怒りの首4の字
都内の一軒家の2階の一室。
今この部屋の中で、小学6年の男女が、些細なことで喧嘩をしていた。
「ショウくん!またハメ技使って!少しは手加減してよ!」
「なんだよ!たかがハメ技位いいじゃないかユウカ!」
どうやら喧嘩の原因はゲームであった。
金髪のポニーテールと発育の良い体が特徴の少女ユウカと、黒髪のショートヘアーの
小柄な少年ショウは幼稚園の頃からの幼馴染で、家が隣同士でよくベランダをつたって
双方の部屋に遊びに行き合っていた。
そしてこの日も、ショウは新しく買った格闘ゲームを持ってユウカの部屋に遊びに来ていた。
最初の内は楽しく遊んでいたが、格闘ゲーム初心者のユウカに対し、ショウはコンボやハメ技などを使い、
ユウカに連勝し続けた。それに我慢できなくなったユウカは手加減してほしいと頼んだが、
ショウはそれを聞き入れなかったため、とうとう喧嘩になってしまったのだった。
「私初心者なのよ!」
「初心者だからって手加減してもらえると思うなよ!」
「何よ!取っ組み合いじゃいつも私に泣かされてるから、ゲームでこんなひどいことするなんて……ずるいわよ!」
ショウが手加減してくれない事に怒ったユウカは、たまらずコントローラーをショウに投げつけた。
「痛!このやろ〜、今日こそ泣かせてやる!」
コントローラーはショウの頭にぶつかり、ショウは頭をさすった後、怒ってユウカに飛び掛かった。
「キャッ!くっ……やぁ!え〜い!」
ユウカは飛び掛かってきたショウをかわすと素早く背後に回ってショウを床に組み伏せると、
ショウの首を自分の太ももで挟み、そのまま体を裏返して仰向けになった。
そしてショウの首を挟んだまま左足を横に曲げ、それを右足でロックし、首4の字固めを完成させた。
「く……苦しい……」
「うふふ、また捕まえちゃった。さあ、行くわよ!」
ユウカは自身の足に捕われたショウを見ながら足に力を込め、ショウの首を締め上げた。
「うぐぅ……くそ〜……」
ショウは足をばたつかせたり、ロックしている右足を外そうともがいたが、首4の字は完璧に極まっており、
逃れることなど不可能だった。
「無理よ。」
ユウカは苦しむショウを見下ろしながら、母親からこの技を教わった時の事を思い出していた。
それはユウカ達が小学校2年生の時の夏休み初めのある日の夜だった。
「パパ!格闘技教えて!」
ユウカは弟のハルヤと一緒にリビングでTVを見ていた父に、格闘技を教えてほしいと頼み込んだ。
「ちょ……どうしたんだユウカ、急に格闘技教わりたいなんて?」
「うん。実はね……2年生になってからショウくんとのケンカで負けてばかりだから、
強くなってギャフンと言わせたいの!」
ユウカの父は娘の女の子らしからぬ頼みに困惑しながらも理由を尋ね、ユウカは理由を話した。
「いいわ!ママがとっておきの技を教えてあげるわ!」
理由を話し終えた時、それを聞いていたユウカの母がユウカの頼みを了承した。
「おい!ユウカ……ケンカに勝ちたいから格闘技を習いたいってのは、ちょっと……」
「本当!じゃあ早く教えてママ!」
父は母に注意した後、ユウカを窘めようとしたが、それよりも早くユウカは母に教えを受ける事を決めた。
「ほら。ユウカもこう言ってるんだし!」
「う……分かったよ」
ユウカと母に押され、父は仕方なく了承した。
「じゃあ行きましょう!ユウカ」
「うん!」
2人は家の地下室に降りて行った。
「パパ……またママに押し切られちゃったね」
「ああ……(ユウカ……あいつに似てきているな……)」
父は金髪の頭をかきながらハルヤの意見にうなずくと、ユウカが母に似てきている事を痛感した。
父と母が学生時代の頃、女子が男子を格闘技で倒し、その戦いを動画で投稿するのが流行っていた。
そして父も、学生時代に母やその友人に格闘技などで徹底的にやられ、ひどい目に逢った、
しかしその後、動画投稿は様々な問題が起こり、更には逮捕者などが出た事で急速に沈静化した。
(逮捕者の中には母の友人も含まれていた)
それからいろいろあったが、2人は結婚し、ユウカが生まれた頃にはマニア向けの会員制サイトでの
有料配信やDVD販売にとどまっていた。
(ちなみに父と母はそのサイトのスタッフで、そのサイトと提携しているスポーツクラブ
(動画はこのクラブの地下室にあるリングで撮影される)の経営者兼トレーナーである。)
父はユウカをおとなしい子に育てようとし、1児の母になった事である程度落ち着いた母もそれを受け入れた。
更にその後、弟のハルヤが生まれ、ユウカは幼いながらも姉としてハルヤの世話を焼くようにもなった。
そしてユウカが幼稚園に入る頃、隣にショウの家族が引越してきた。
ユウカとショウはあっという間に仲良くなり、幼稚園に入ってもそれは変わらなかった。
しかし、おとなしかったユウカは、ショウや他の子とも喧嘩したりするようになるなど、少しずつ変わっていった。
そして小学校に入る頃には、父の願いも空しく、活発な子になっていた。
(ユウカもあいつみたいに、男を締め上げて喜ぶようになるのかな……はぁ……)
父はユウカが妻みたいに男を締め上げて喜ぶ場面を想像し、ため息をついた。
「地下室に入ったユウカと母は、タンクトップとホットパンツに着替えた。
かわいさが残るユウカとは対照的に、母は茶髪の短い2つの三つ編みと美しい顔、
そして抜群のスタイルで、とても2児の母には見えなかった。
(うわ〜……いつ見てもすごい太もも……)
ユウカは母の年齢よりも若く見えるスタイルに感心しながらも、弾力がありながらも柔らかく、
それでいてがっしりした太ももに目がいった。
「私の太もも、すごいでしょ?今から私が教えるのは、この太ももを使った技よ」
「太もも?」
「まずは相手をダウンさせる!」
母は足払いでユウカをダウンさせた。
「キャッ!」
母の突然の攻撃に、ユウカは尻もちをついてしまった。
(地下室の床は柔らかいクッションのため、倒れたり投げられたりしても怪我はしない)
「そして相手の頭を捕え、首を足で4の字を描くように」
母は倒れたユウカの頭に近づき、素早く足で4の字を描くようにユウカの首を挟んだ。
「うぐぅ……」
「これが私の必殺技、首4の字固めよ!」
母は技の名前を言った後、両手を床に付けて腰を浮かし、ユウカを締め上げた。
ユウカの首は、母の太ももとふくらはぎに隙間なく捕われてしまった。
「ああぁぁ……苦しいよぉ〜……」
ユウカは締め上げによる苦しさに涙を流しながらも懸命にもがいた。
「無駄よ!もがいても逃げられないわ!」
しかし母はユウカのもがきにも微動だにしなかった。
「うぅぅ……ギブアップ!」
ユウカは苦しさに耐えきれず、母の太ももを叩いてギブアップした。
「どう、すごい技でしょ?」
「ごほ!ごほ!……はぁ……はぁ……うん」
母の問いに、ユウカは激しくせき込んだ後、深呼吸をして落ち着いてからうなずいた。
「この技を極めれば、どんな男にでも勝てるし、虜にすることも出来るのよ!」
「ふ〜ん……あ、じゃあママもこの技でパパを虜にして一緒になったの?」
首4の字の素晴らしさを母から聞かされたユウカは、母に首4の字で父を虜にしたのか質問した。
「う……まぁ、そういう事ね……」
母は父にした過去の出来事を思い出し、冷や汗をかきながらそう答えた。
(虜はともかく、一緒になったのは間違いない)
「よ〜し……ユウカ、首4の字をマスターする!」
母のユウカは首4の字をマスターすることを決意した。
それからしばらくの間、母と共に首4の字の練習を行い、首4の字をマスターした。
そして夏休みの終わり頃、一緒に宿題をしていたショウとユウカは些細な事で喧嘩を始めた。
いつもならユウカが泣かされるが、この時は母直伝の首4の字でショウを締め上げた。
「苦しい苦しい!ギブアップ!」
ショウは泣きながら太ももを叩いてギブアップした。
「やったー!ショウくんに勝った!」
ユウカは2年生になって初めての勝利にとても喜んだ。
そして、この勝利以降、ユウカはショウとのケンカでは首4の字で連勝し続け、
完全にショウとのケンカでは無敵になった。
「回想を終えたユウカがショウの顔を覗き込むと、ショウの顔は青ざめていた。
「ショウくん、いつものように降参する?」
「ま……まだまだ……」
ショウはロックしている足に手をかけ、ロックを外そうとした。
「無駄な抵抗はやめたら?」
それに気づいたユウカは体をゆすって、ショウの手を払いのけた。
「くっ……」
するとショウは必死に手を伸ばし、ユウカの顔を掴もうとした。
しかし締め上げで意識が朦朧としていたため、間違えて胸を掴んでしまった。
「キャッ!このH!」
胸を触られて怒ったユウカは腰を浮かせ、全力で締め上げた。
「!!!!〜〜〜〜」
ショウは全身をピンと伸ばした後、一気に脱力した。
(これが絞め落とす感触なのね……)
ユウカは首4の字を解きながら、初めて絞め落とした感触に酔いしれていた。
だが、その酔いは一瞬で醒める事になった。
失神したショウの股間から、生暖かい水がフローリングに垂れ始めたのだ。
「ちょ……これって……ええぇ――!」
ショウが失禁した事にユウカはビックリした。
「(そういえば……絞め落とされたらおしっこを漏らすこともあるってママが言っていた)
大変!何とかしないと!」
ユウカは雑巾で尿を拭き、ショウのズボンとパンツを脱がした。
そして、濡れたタオルでショウの下半身を拭いた。
だが、下半身を拭いている途中でショウが意識を取り戻した。
「うう……!!」
ショウが見たのは、あそこの部分を拭いていたユウカだった。
「あ……ショウ……くん」
「うう……わあぁ〜〜ん!!」
女の子に下半身を拭かれているという情けない状態に、今まで耐えていたショウの心は崩れ、
大きな声で泣き始めた。
「ショウくん!ごめんなさい!」
「わあぁ―――ん!ユウカちゃんに嫌われた――!」
ユウカは必死に謝ったが、ショウは泣き止まなかった。
「うぅぅ……!!」
「わぁぁ〜……!!」
ユウカは、自分の口でショウの口を塞いだ。
そしてようやくショウが泣き止んだ後、ユウカは口を離した。
「ごめんなさい……まさかこんなことになるなんて思わなかったの……」
「ユウカちゃん……僕の事嫌いになったでしょ?」
「ううん!どうして?」
ショウから発せられた「自分を嫌いになった」という言葉にユウカは首を傾げた。
「だって……女の子に絞め落とされるほど弱くて……しかも漏らしちゃったんだよ。
こんな汚い僕なんて嫌いになるだろ?」
「全然!むしろ私の方が嫌われないといけない側よ!」
嫌われる理由を述べたショウに、ユウカはむしろ嫌われるのは自分の方だと答えた。
「本当?」
「当たり前よ。私が大切なショウくんを嫌いになるわけないでしょ!」
ユウカはショウを嫌いにならないと、胸を張ってそう答えた。
「大切って//////そういえば、僕にキスを//////」
「あ//////」
ショウはユウカにキスをされた事、ユウカはショウを泣き止ますためにキスをした事を思い出し、
顔を真っ赤にした。
それからしばらく2人は黙り込んでいたが、ユウカはこの状況を何とかしようと口を開いた。
「ショウくん。ゲームの続きしようか」
「うん。今度はハメ技使わないから」
2人は興奮を紛らわすため、ゲームを再開した。
その後、ショウはベランダをつたって家に帰った。
(パンツとズボンはジュースがこぼれたと説明した)
その日の夜、ユウカは母に今日の出来事を話した。
「そう。遂に絞め落としたのね」
「ママ、怒らないの?」
怒られると思っただけに、ユウカは母の以外な反応にキョトンとした。
「ちゃんと謝って許してもらえたんでしょ?ならいいじゃない」
「そうだけど……」
「で、落とした感触はどうだった?」
「感触……ショウくんが私の太ももでもがいていて、落ちた時は面白かったけど……心が痛かった」
ユウカには落とした喜びよりも、ショウを傷つけた事による心の痛みの方が大きかった。
「じゃあ、次は落とさない首4の字を教えてあげるわ」
「落とさない首4の字?」
母の落とさない首4の字という言葉に、ユウカは首を傾げた。
「そう。相手を落とさずに絞めるのを楽しむ首4の字と、相手を気持ちよくさせて虜にする首4の字をね!」
「ショウくんを虜に……//////」
ユウカはショウを虜にした場面を想像し、顔を赤くした。
「じゃあ、早速行くわよ!」
「はい!」
こうして、ユウカは母から首4の字のバリエーションを教えられた。
一方ショウは、自分の部屋で落とされた時の事を思い出していた。
「いつも苦しいんだけど、今日のは特に苦しかったな。それにしても……あの感触……また受けてみたいな……」
ユウカから首4の字を受け続けていくうちに、ショウは首4の字を受けたいと少しだけ思うようになっていた。
ユウカとショウ。
この日は2人にとってお互いの性癖を目覚めさせた日になった。
そして2人の性癖が結び付くのはそれから5年後、高校生になった時であった。
5年後。
高校1年生になったユウカは、同じく高校1年生になったショウと一緒に学校へ向かっていた。
「よっ、2人ともアツいね〜」
そんな2人を、中学2年になったハルヤが冷かしながら後ろから抜き去っていった。
「もうっ……ハルヤ!」
「まあいいじゃないか。それよりも早く学校行こう!」
ショウは怒るユウカを宥め、急いで学校に向かった。
この「ユウカとショウを冷やかすハルヤ」はすっかり朝の一幕になっていた。
(はぁ……ショウったら、よく学校に行けるわね……)
学校に向かう途中、ユウカはそんな事を思い、憂鬱になった。
あれから5年、ユウカ達の間は様々な変化があった。
ハルヤはユウカ達の仲をからかったりするようになり、その度にユウカによく締め上げられている。
ユウカは母から様々な首4の字を教えられる一方、両親の経営するスポーツクラブに
ハルヤと共に通うようになり、メキメキと格闘技(特に絞め技)が上達し、身体能力も大きく上昇した。
それに合わせて体つきも変わり、同い年の子と比べてもスタイルはよかった。
(ちなみにハルヤは相変わらず小柄なままだった)
また、ショウとの関係も相変わらず互いの窓を行き来し合うほどだが、ユウカからは遊びよりも
勉強をするために行く方が多くなった。
(ショウと一緒の高校へ進学できたのは、ショウから勉強を教わったからでもあった)
そして意外な事にあの事件以降、「ショウをまた失禁させてしまうかも……」と不安が頭をよぎり、
ショウとはケンカをしても首4の字を掛けてはいなかった。
(尤も、首4の字はジムでの練習でハルヤや練習生に掛けているため、極まり方等は確実に上達し、
絞める力も増していた。)
あの事件以来、首4の字を掛けられたいと思っていたショウはそれが物足りなくてケンカを避け、
ユウカの意見をよく聞くようになり、ケンカの数は減っていき、今ではほとんどしなくなっていた。
そして、ショウは勉学に励むようになり、中学では常に学年上位をキープし、
ユウカに勉強を教えた甲斐もあって、ユウカを自分が進学しようとしていた高校へ一緒に進学させることが出来た。
高校へ到着し、ユウカ達は教室に入った。
「ああ!」
そこでユウカが見たのは、ゴミが巻かれたショウの机だった。
「またかよ……」
ショウはやれやれといった表情で、ユウカと共にゴミを片付け始めた。
(もう!こんなことした奴、絶対に許さないんだから!)
ユウカは笑うクラスメイト達を見ながら、犯人に激しい怒りを燃やした。
ユウカが登校時に憂鬱だった理由、それはショウに行われているいじめであった。
ユウカ達の通う高校は、かつて父と母も通った高校でもあった。
かつて男女の格闘動画投稿が盛んだったこの高校も、動画投稿での問題と摘発の煽りを受け、
格闘動画投稿は急速に激減した。
その後、問題が一段落した後、少しずつ格闘動画投稿は会員制のサイト限定で再開されたが、
かつて程の勢いはなかった。
(それでも、格闘動画撮影可能な事(まだ格闘動画撮影を禁止している高校が多い)で、
それ目当てで進学する子も多かった)
そんな中、動画投稿で活躍した母を持つユウカは勢いを取り戻してくれると、入学前から上級生達に期待された。
しかしユウカは上級生達やそれ目当てで入学してきた子達の期待とは裏腹に格闘動画撮影を行わず、参加もしなかった。
ユウカに期待していた者達は、ユウカが格闘動画撮影を行わない原因はショウにあると考え、
ユウカから引き離そうといじめを始めた。
暴力や脅しはなかったため、ショウはなるべく無視することで耐えてはいる状態だった。
(ユウカが報復しようとしても止める)
ゴミを片付け終えた2人は席に座った後、今朝の出来事について小声で話し始めた。
「ショウちゃん。どうして怒らないの?」
「いや、まだ暴力になってないから……」
「それじゃダメよ。あいつら、いずれつけ上がるよ!」
ユウカがショウに仕返しを勧めようとした時、担任が教室に入ってきた。
ユウカとショウは話を打ち切り、授業を受けた。
(ショウちゃんったら!本当に大変なことになるよ……)
だがユウカはショウの事が心配で、授業に集中できなかった。
この日の授業がすべて終わり、ユウカはショウと共に下校しようとした。
「ショウくん、ちょっといいかしら?」
その時、上級生である黒髪のロングヘアーの女子がショウを呼び止めた。
「はい。なんですか?」
「ちょっと話があるんだけど、一緒に来てくれない?」
「いいですけど……ユウカ、先に帰っていて」
ショウは上級生の女子に連れられ、校舎に戻っていった。
「ちょっとショウちゃん!もう……でも話って何だろう……
もしかして、いじめの件を知って、止めようとしてくれてるのかな……」
ユウカはショウが呼び出された理由は、ショウが受けているいじめを止める為だと思った。
しかし、このユウカの考えは後に大きく裏切られることになった。
次の日、ユウカはショウと共に学校へ行こうとした。
「ショウちゃん!早く行こう!」
「あらユウカちゃん。ショウならもう学校に行ったわよ!」
「ええ!」
ショウがいつもより早い時間に学校に向った事をショウの母から聞いたユウカは驚きながらも、
急いで学校に向かった。
(ショウ兄、俺に冷やかされるの嫌だったのかな?)
ユウカとショウの母のやりとりを見たハルヤは、自分が冷かし続けたのが原因ではと考えながら、学校へ向かった。
学校へ着いたユウカは、先に来ていたショウに詰め寄った。
「ショウちゃん!なんで先に行っちゃうのよ!」
「別に……今日は早く起きたからだよ」
「嘘!ショウちゃん誤魔化そうとしている!」
斜めを見ながら答えたショウに対し、ユウカはショウが嘘をついていると指摘した。
ショウは何かを隠したり、誤魔化したりする時、目を斜め上に向ける癖があった。
ユウカが更に詰め寄ろうとしたその時、担任が入ってきた。
「もうっ!(絶対に聞き出すんだから!)」
ユウカはひとまず追及を諦めながらも、必ずショウから訳を聞き出す事を誓った。
だが、休み時間はショウはユウカから逃げ、更に放課後はまた上級生に連れていかれ、
訳を聞き出すことは出来なかった。
(それなら!)
その日の夜、ユウカはベランダをつたってショウの部屋に行って問いただす事にした。
しかし、ベランダには鍵が掛けられ、部屋に入る事が出来なかった。
「ショウちゃん!いるんでしょ!開けてよ!」
ユウカはショウを呼びながら窓のフレームを叩いたが、ショウは反応しなかった。
(なんでよ……何を隠してるのよ……)
ショウが自分を避けている事にユウカは悲しくなり、自分の部屋に戻っていった。
そして、ショウがユウカを避ける事態はしばらく続いた。
ショウがユウカを避けるようになってから2週間後の金曜日。
ショウが自分を避けるようになってから、ユウカはその苛立ちをジムでの格闘訓練
(主に同年代の男女を締め上げる事で)で発散していた。
そしてこの日もジムでの練習を終えたユウカは、家への帰路についていた。
「ショウちゃん、どうして私を避けるのかな……ん?」
ユウカは近くの河原に人が浮かんでいるのを発見した。
「なに……ああ!」
河原の近くまで行ってよく見ると、浮かんでいる人はショウだった。
「ショウちゃん!」
ユウカは慌てて河原に飛び込み、ショウのもとまで泳ぎ、ショウを抱えて戻ってきた。
「ショウちゃん!ショウちゃん!」
ユウカはショウを呼んでゆすったが、ショウは目を覚まさなかった。
そしてよく見ると、ショウの体には痣がたくさんあった。
その後、ユウカはショウを負ぶって家に帰り、ショウの母に事情を説明した後、
ショウが目を覚ますまで一緒にいる事にした。
「う……」
それからしばらく経って、ショウは自室のベッドの上で目を覚ました。
「ショウちゃん!」
ユウカはショウが目を覚ました事に、うれしさのあまり抱き付いた。
「ユウカ!ここは……僕の部屋……」
「ショウちゃん、何があったの?」
ユウカは改めて、ショウに何があったのか尋ねた。
「何もないよ……ちょっと足滑らせて溺れただけだよ」
「嘘!ショウちゃんこんなに傷だらけじゃない!」
また誤魔化そうとしたショウに対し、ユウカはショウの服を強引に剥ぎ取り、
体中に出来た痣を見ながら問いただした。
「う……分かったよ。すべて話すよ。実は……」
観念したショウは、何が起こったのか話し始めた。
大本の原因は放課後、上級生に呼ばれた時だった。
「さあ、この部屋に入って」
上級生についていったショウは、空き教室に入った。
そこには、ショウをいじめていた男女や、他の上級生(女性)達がいた。
「!!これは一体?」
「あなた、邪魔なのよ!」
ショウが振り返ると同時に、上級生女子はショウの鳩尾に膝を撃ち込んだ。
「ごほ!」
ショウは腹を押えて蹲り、それを見た上級生達が一斉にショウに襲い掛かり、
ショウの両腕を腕ひしぎ、両足を膝十字で極めた。
「ぎゃあぁぁぁ!」
「あんたのせいよ!あんたがいるからユウカは格闘動画撮影に参加しないのよ!」
「私達はユウカに期待していたのよ!」
「それなのに……このイライラ、あんたで晴らしてもらうわ!」
上級生達はショウに逆恨みの言葉を浴びせながら攻め続けた。
上級生の攻めはしばらく続き、終わった時にはショウは動けなくなっていた。
「まだこれで終わりじゃないわよ!これからも続けるからね!もし逃げたら……
この学校にユウカをいられなくしてあげるわ!」
上級生のリーダー格の子はショウにそう言い放った後、上級生と下級生を連れて部屋を後にした。
上級生リーダーはその力を背景に、生徒達の間では絶大な影響力を持っていた。
そんな彼女に掛かれば、ユウカを学校から追放する事など容易ではなく、現に彼女に目をつけられて、
これまで多数の生徒が学校を追われていた。
「…………ユウカ……(僕が我慢すればいいんだ……)」
ショウはユウカのために、自分が耐える事を選んだ。
それからショウへのいじめは放課後のリンチも加わった事で、より過激になった。
そしてこの日の放課後、その過激さはピークに達した。
いつものように上級生女子達は空き教室内でショウをリンチしていた。
「ねえ、殴る蹴る、関節も飽きたから、今日は絞めちゃおうよ!まずは私が!」
リーダーはそう提案をすると、ショウの首に太ももを絡ませて締め上げた。
「うぐぅ……」
「ほら!苦しいでしょ?ユウカの母も得意としていた太もも締めよ!」
「うぅぅ……(苦しい……でも……太ももが柔らかい……)」
ユウカの太ももに絞められたいと思っていたショウにとって、リーダーの太もも締めは
ユウカには遠く及ばないでも、苦しさと快楽を与えるには十分であり、ショウの股間は
その感触に反応してしまい、膨らんでいた。
「おい!コイツあそこ膨らませているわよ!」
「ホントだ!コイツMだったんだ!キモ〜!」
女子達はショウの股間が膨らんでいるのを見て、軽蔑した表情で笑った。
「そうか!お前太ももで絞められるのが好きなんだ……よ〜し!みんなで絞めまくろうか!」
「賛成!」
「じゃあ次は私が!」
「待って私も!」
いじめグループはショウの首を、太ももを使った技で締め上げた。
ショウは何度も落とされ、その度に起こされて絞められ、ついに失禁してしまった。
「キャハハ!遂に漏らしたぞ!」
「汚い!こんなゴミもっとやっちゃえ!」
それを見た女子達はショウを嘲笑いながらに締め上げた。
それを何度も繰り返されること一時間。
ショウは蓄積されたダメージで、動くことが出来なくなった。
「ねぇ……こいつ絞めるの飽きたけど、どうする?」
「う〜ん……川に捨てよう!」
リーダーは、動けないショウを川に捨てる事に決めた。
「川に捨てる!下手したら死んじゃうよ!」
「死んだら事故という事になる。助かっても弱み握ってるから口封じも出来るし!」
「それもそうね!じゃあそうしましょう!」
こうして、いじめグループは動けないショウを川に捨てた。
ショウは変えていくグループの笑い声を聞きながら、意識を失った。
そんな……ひどすぎるよ!」
ショウの話を聞き終えたユウカは涙を流してそう叫びながら、ショウを抱きしめた。
「ユウカ……」
「ショウちゃん、私のせいで辛い思いさせてゴメンね」
そう言った後、ユウカはショウにキスをし、そのままベッドに押し倒した。
「ン……ユウカ……」
「ショウちゃん……私が癒してあげる」
ユウカは服を脱ぎ捨て、ショウに覆いかぶさった。
それから、ユウカはショウと愛の営みを行った。
(最初はユウカがやさしく愛していたが、途中からショウがユウカを愛するようになり、
そのまま激しく愛し合った)
(あいつら……そんなに私に闘ってほしいなら戦ってあげるわよ!あいつら相手にね!)
愛の営みを終え、眠りについたショウにキスをしたユウカは、ショウをいじめたグループへの
激しい怒りに燃えていた。
その後、家に帰ったユウカは両親に事情を話し、協力を頼んだ。
「おいユウカ!さすがに復讐は」
「いいわよ!協力して上げるわ!」
復讐はまずいと止めようとする父とは対照的に、母はあっさりと承諾した。
「おい!それでもしユウカが逆に訴えられたりしたらどうするんだよ!」
「大丈夫、オーナーにも協力してもらえばいいのよ!」
渋る父に対し、母はオーナーにも協力してもらえばいいと答えた。
ユウカの両親の経営するスポーツクラブの女性オーナー。
彼女は母以上の実力を持ち、更に政治や警察などの様々な方面にパイプを持っており、
格闘動画投稿の摘発や処罰にも積極的に協力した。
母を始め、父を痛めつけた女性達はみんなオーナーにやられ、逮捕されない代わりに動画投稿をやめさせられた。
(中には続けた者もいたが、オーナーにトラウマを植え付けられるほどやられ、性格矯正されてしまった)
またその時、父の動画の削除を徹底的に行い、そのことを指摘した者を実力で口封じするなど、
両親(特に父)にとってはいろいろな意味で恩がある人物である。
「確かにオーナーの力を借りれば何とかなるかもしれないけど……協力してくれるかどうか……」
「大丈夫よ!協力してくれるってさ!」
オーナーの協力が得られるか悩む父を尻目に、母はオーナーに電話をして協力を取り付けた。
「ええ!まぁ……その……ユウカ、殺人だけはするなよ」
「うん!」
父は殺人だけはしないよう忠告し、ユウカは力強く返事をした。
次の日。
この日は土曜日だったため学校は休みで、いじめグループのリーダーは家でくつろいでいた。
その時、リーダーの携帯に着信が入った。
「はい。もしもし……本当かい!分かった!今晩行くから!」
リーダーは嬉しそうに携帯を切った。
(うふふ……遂にユウカが格闘してくれるのね……)
電話の相手はグループの仲間で、ユウカが格闘動画撮影する(時間と場所はユウカの指定)という内容であった。
その日の晩、リーダーはユウカの両親の経営するスポーツクラブに来た。
(確かこのクラブの地下が指定場所だったわね)
リーダーはクラブ内の階段を降り、地下の部屋のドアを開け、部屋の明かりをつけた。
地下室にはトレーニング機材とリングが設置されていた。
「な……貴方達!」
地下室を見渡したリーダーは驚いた。
部屋の隅には、ボロボロになって倒れているグループのメンバーが3人おり、
しかもその1人はリーダーに電話を掛けてきた娘だったからだ。
「待っていたわよ」
その時、部屋の入り口から女子の声が聞こえた。
リーダーが振り向くと、そこには赤いリングシューズと赤いハイレグセパレートの
リングコスチュームを身に纏ったユウカが立っていた。
「ユウカ!これは一体?」
「格闘動画撮影ですよ。私とお前達のね!」
「上級生にお前達って……まさか!」
「ええ。あいつらのは既に撮影完了したわ!」
倒れているメンバー3人はリングコスチューム姿であった事から、リーダーはユウカが3人をリングで嬲り、
その様子を撮影した事を感づき、ユウカはそれを肯定した。
「じゃあ、私も……」
「ええ。特にお前はショウちゃんをあんな目に逢わせた主犯。あいつらよりも徹底的に嬲ってやるわ!」
そう言いながらユウカは地下室の鍵を閉め、リーダーにリンコスの入った袋を投げつけ、リングに上がった。
「これに早く着替えなさい!それと……逃げようなんて考えない事ね!」
「う……分かったわよ!(生意気な!その減らず口、潰してあげるわ!)」
リーダーはそんな事を思いながら部屋の影で着替えを済ませ、黒いハイレグワンピース姿になり、
リングに上がった。
「私はあいつらとは違うわよ!」
リーダーはリング中央にいるユウカにダッシュして組み付いた。
だが、ユウカは膝蹴りをリーダーの鳩尾に撃ち込んだ。
「げほ!」
リーダーは腹を押えてダウンした。
「もうダウンですか?」
「く……何を!」
リーダーは見下す表情で問いかけるユウカを睨みつけると、ユウカの足にタックルで組み付き、
ユウカをダウンさせてマウントを取ろうとした。
「きゃっ!あいつらよりはやるみたいですね……でも!」
ユウカはリーダーの腰を足で挟み、ボディシザースで締め上げた。
「があぁぁ!」
リーダーは慌ててユウカの足を外そうとしたが、ユウカの足は強靭で、ビクともしなかった。
「ほらほら!」
ユウカはリーダーを嘲笑いながら、更に締め上げた。
「あぁぁ……」
胴体を絞められて、その苦しさからリーダーの顔は青ざめ、意識が朦朧とし始めた。
「おっと!まだ落ちちゃダメよ!」
それを見たユウカはボディシザースを解いた。
「がは!ごほ!」
リーダーは激しくせき込みながらも、何とか反撃しようとユウカに手を伸ばした。
「逃げないとは、流石はリーダーですね。じゃあ遠慮なく!」
しかし、ユウカはその手を掴むと、今度は三角締めでリーダーを締め上げた。
「あぁぁ……」
「ほら!早く外さないと落ちますよ?」
ユウカは苦しむリーダーの顔を堪能しながら、絞める力を調節して落ちないようにした。
「う……あう……」
リーダーの顔から徐々に血の気が失われ、涙と鼻水が溢れ出してきた。
「不様ね。こんなに弱いのにショウちゃんを傷つけて私を引き込もうとしたなんて……許さない!」
ユウカは自分の足で苦しむリーダーがショウをいじめた光景を想像し、怒りを込めて締め上げた。
「きゅぅ……」
リーダーの瞳は裏返り、体中の力が抜けて失神した。
「ふぅ……ほら!起きなさい!」
ユウカは三角締めを解くと、リーダーの頬を叩いて無理やり起こした。
「うぅ……」
「まだ終わりじゃないわよ。お前がショウちゃんをいじめた報い、倍にして返してあげるからね!」
ユウカは冷徹な声でそう言いながら、まだ起こされたばかりで意識のぼやけているリーダーの首に足を絡ませた。
それから、ユウカはリーダーに様々な絞め技をかけて締め上げた。
あぐら締め、胴締めスリーパー、後ろ三角締め、ネックシザース逆十字、69絞めetc……
絞められる度にリーダーは不様な姿で絞め落とされ、再び起こされてまた絞められるの繰り返しだった。
そして1時間後、リーダーはリング中央で虫の息状態になっていた。
「はぁ……ごめんなさい……許してください……」
リーダーには最初に見せた威厳は全くなく、弱い声でユウカに対して許しを乞うだけになっていた。
「う〜ん……もう十分恨みも晴らしたし……許してあげてもいいかな……」
「じゃあ……」
「やっぱりダメ!最後はこの技でもう悪さが出来ないようにしてあげるわ!」
ユウカは許しを否定すると、リーダーの首に足を4の字に絡ませ、首4の字で締め上げた。
「あぁぁ……ゆるじ……げぇ……」
リーダーは弱弱しく手足をばたつかせ、ただ許しを必死に乞うた。
「見苦しいわね!もう私達に関われないようにしてあげるわ!」
ユウカは許しを請うリーダーを見苦し一蹴すると、渾身の力で締め上げた。
「あぁぁ……きゅぅ……」
リーダーの瞳は裏返り、体中の力が抜け、さらに失禁した。
「あらら、リング汚して……ふん!」
しかし、ユウカはリーダーが失神しても絞めるのをやめなかった。
「おい!やめろ!」
「それ以上やったら死んじゃうわよ!」
その時、目を覚ましたメンバー達がリングに上がり、ユウカをリーダーから引き剥がそうとした。
「ちょ……邪魔しないでよ!」
ユウカは引き剥がそうとするメンバーを強引に払いのけた。
だが、その時に体を捻った事で、下半身に更に力を込めてしまった。
その結果、リーダーの首からゴキン!と鈍い音が聞こえ、首があらぬ方向に曲がってしまった。
「いぐ!」
首を折られたリーダーは断末魔のように痙攣を起こし始めた。
「「「リーダー!」」」
メンバー達は痙攣をおこすリーダーに近づき、必死に安否を確認した。
「ふぅ……お仕置き完了!」
ユウカは満足した表情で何事もなかったように立ち上
がると、そのまま地下室を後にした。
その後、リーダー達はオーナーの手配した救急車に乗せられ、病院へ向かった。
リーダーは診察の結果、命に別条はなかったが、頸椎が損傷していた。
回復はするが、歩けるようになるにはしばらく掛かるとの事だった。
リーダーの両親はなぜこうなったのかオーナーを問いただしたが、オーナーは格闘練習の事故だと説明した。
納得できない両親は訴えようとしたが、オーナーはリーダーが今まで犯した傷害、いじめ、
脅迫のデータを見せつけ、これを世間に公表すると反論した。
両親は娘の犯行を知って愕然とした。
更にオーナーは「治療費は私が負担する」と言い、両親はそれを聞き入れ、治療費の代わりに事件の事は
公表しないと約束した。
そしてオーナーは、メンバー達にも事件を公表しないよう言い、メンバー達は強く頷いて受け入れた。
こうして、ユウカの主犯への復讐は完了した。
翌週、ユウカは久しぶりにショウと一緒に登校した。
ただこれまでとは少し違って、ユウカはショウの腕に抱き付いて登校した。
「おいユウカ、恥ずかしいよ!」
「いいじゃない!もう私達こういう関係なんだから!」
恥ずかしがるショウに対し、ユウカはそう答えて更に強く抱き付いた。
2人が教室に入ると、今までショウをいじめていた生徒達が一斉に謝罪してきた。
「もういいよ。気にしてなかったから」
ショウはそう言って、謝罪してきた生徒達を許した。
(何よ!リーダーがやられたから、自分達もやられるのを恐れて謝罪して!
それを許すショウちゃんもショウちゃんよ!)
だが、ユウカは謝罪してきた生徒達を決して許さなかった。
あの日以降、ユウカ達の周りに変化があった。
ショウはいじめられなくなり、ユウカも勧誘を受けなくなった。
その代り、“ユウカと戦いたければスポーツクラブに入会する”という考えにたどり着いたのか、
スポーツクラブに入会する生徒が増えた。
その結果、ユウカのスポーツクラブでの活動のメインは「入会した生徒達とのスパーリングで
生徒達を締め上げる」になった。
そしてあの初体験以来、ユウカとショウは互いの部屋を行き来して愛し合うようになった。
その際、ユウカは母から教わった気持ちいい首4の字でショウを締め上げるようにもなった。
「ほら!ショウちゃんの大好きな首4の字固めだよ!」
「ユウカ!最高だよ!」
2人は首4の字で楽しんだ後、激しく愛し合うのが恒例になった。
(全く!少しは声を押えてくれよ!)
その愛の営みは隣の部屋にも聞こえるほどで、ショウは声を押えてくれないかと思いながらも、
2人の愛し合う音を壁に耳を着けて聞いていた。
(ちなみにその音は下の階にも聞こえ、それを聞いた両親も再び愛し合うようになった)
こうして、また平和な日が戻った。
…………かに見えた。
しかしユウカの怒りはまだ収まっておらず、あれからユウカはショウをいじめた生徒達を
スポーツジムの地下リングで嬲るようになった。
週末の夜。
スポーツジムの地下室に、1人の女性が入ってきた。
彼女はショウをいじめたグループに加わって、ショウをいじめた娘であった。
彼女は謎の電話で呼び出され、ここに来たのだ。
「待っていたわよ」
リングコスチュームに着替えたユウカが入ってきた。
「ユウカ!これは一体?」
「決まってるじゃない!ショウちゃんをいじめた罰を与えに来たのよ!」
「罰って……他の子たちの怪我はもしかして……でもショウは許してくれたじゃない!」
「たとえショウちゃんが許しても、私は絶対に許さないわ!」
ユウカは声を荒げてそう答えると、コスチュームの入った袋を投げつけた。
「これに着替えて私と戦え!そうしないと出れないわよ!」
ユウカにそう言われ、女性は仕方なく着替えた。
「さあ、始めましょうかしら?」
ユウカは相手を嬲るのを楽しむような表情で、今宵の獲物を見てそう言った。
キャラ設定
ユウカ
・女の子
・金髪のポニーテールと、よく発育した体が特徴。
・母親から格闘技を教わっており、特に足での絞め技を重点的に教えられた。
・得意技の太もも締め、首4の字は強力で、同年代の男子女子はまず外すことが出来ない。
(特に首4の字は本気で掛けたら相手を失禁させ、最悪首の骨を折ることが出来る程(まだ折ってはいない))
・幼なじみのショウとは仲良しで、よく一緒に遊んだり、たまに喧嘩したりしていた。
(ちなみに喧嘩は首4の字でユウカが全勝している)
ハルヤ
・ユウカの弟
・茶髪のショートヘアーと、やや小柄な体が特徴。
・やや生意気な所があるが、基本的にはいい子。
・成長後はユウカをからかったりすることがあり、そのたびにユウカから絞められている
ショウ
・ユウカの幼馴染
・黒髪のショートヘアーと普通の体格
・ユウカとは隣同士で、よくベランダをつたって互いの部屋を出入りしている。
・ユウカの首4の字でよく絞められる。
・実は心の中ではユウカに絞められたいと思っており、ユウカに絞め落とされた日にそれを少し自覚した。
オーナー
(本名:古都 霧(ふるいち きり))
・銀髪のロングヘアーと長身、日本人離れした抜群のスタイルが特徴。
・ユウカの両親の経営するスポーツクラブのオーナー。
・実力は母以上。
・更に政治や警察などの様々な方面にパイプを持っている
・格闘動画投稿が問題になった時、その摘発や処罰にも積極的に協力した。
・ユウカの母を始め、父を痛めつけた女性達はみんなオーナーにやられ、
逮捕されない代わりに動画投稿をやめさせられた。
(中には続けた者もいたが、オーナーにトラウマを植え付けられるほどやられ、性格矯正されてしまった)
・またその時、父の動画の削除を徹底的に行い、そのことを指摘した者を実力で口封じするなど、
両親(特に父)にとってはいろいろな意味で恩人である